承認待ちを整理するときは止まっている理由まで残す
案件が承認待ちで止まっているとき、判断材料の不足と確認順序をAIで整理する方法です。
この記事で分かること
- 待ちの理由を分ける
- 判断者と作業者の区別
- 必要な催促を選ぶ
進捗表に「承認待ち」と書かれた案件が増えると、とりあえず全員に催促したくなります。しかし、実際には「承認者が見ていない」のではなく、比較する資料や金額が足りず、判断できない場合があります。
AIに連絡メモを整理させると、「誰に催促するか」の前に、「何が足りないか」を見つけやすくなります。
三つの案件が止まっている場面
架空のWeb制作会社の進捗会議メモを例にします。
・会社案内の原稿:社長の承認待ち。「旧原稿と新原稿のどちらを見ればよいか」と連絡あり。 ・掲載写真:広報担当の承認待ち。店舗の写真は済み。従業員が写る写真は掲載可否が未確認。 ・公開日:営業部の承認待ち。チラシの配布日を確認中。回答予定は未記入。
「3件とも承認を急いでください」と送ると、原稿は比較対象が分からず、写真は本人の確認がなく、公開日は別の回答待ちのため、すぐには決められません。
承認待ちを分解するプロンプト
次の進捗メモを、案件ごとに整理してください。 表の項目: 1. 案件 2. 現在の状態 3. 承認者 4. 判断に足りない材料 5. 材料を用意する人 6. 次に確認すること 7. 相手へ送る連絡案 次の条件を守ってください。 ・記録にない遅れの理由を推測しない。 ・誰かの責任や意欲の問題と決めつけない。 ・足りない情報は「未確認」と書く。 ・返答がないことを承認とみなさない。 【進捗メモ】 (ここにメモを貼る)
顧客名、個人名、未公開の金額などを含む場合は、会社のルールに従います。練習では架空の名称に置き換えます。
AIの回答例を、元のメモと照合する
以下は、特定のAIの実出力ではなく、プラスタが作成した回答例です。
| 案件 | 足りない材料 | 次にすること | 連絡案 |
|---|---|---|---|
| 会社案内の原稿 | 承認対象の版 | 新旧の原稿に日付と版を書き、確認してほしい一本を示す | 「10月14日版をご確認ください。比較用に9月30日版も添付します」 |
| 掲載写真 | 従業員本人の掲載可否と掲載範囲 | 承認者に催促する前に、写っている人へ掲載先を示して確認する | 「従業員が写る2枚は、本人の確認後に改めてお送りします」 |
| 公開日 | チラシ配布日と回答予定 | 営業部に承認を催促するのではなく、配布日の回答予定を聞く | 「公開日の調整に必要なため、チラシ配布日をいつまでに確認できるか教えてください」 |
元のメモでは「誰が材料を用意するか」までは分かりません。AIが特定の人を勝手に割り当てた場合は、未確認に戻します。
完成させるのはAIではなく、案件担当者です
整理後の表を会議で確認し、「誰が、何を、いつまでに用意するか」を決めます。完成形の例は次のとおりです。
| 案件 | 次の作業 | 担当 | 期限 | 承認依頼の条件 |
|---|---|---|---|---|
| 会社案内の原稿 | 10月14日版と比較用の9月30日版を用意 | 制作担当 | 10月15日12時 | 確認対象を10月14日版と明記してから社長へ依頼 |
| 掲載写真 | 写っている従業員へ掲載範囲を説明 | 広報担当 | 10月16日 | 本人の確認後、利用可否のみを承認依頼 |
| 公開日 | チラシ配布日の回答予定を確認 | 案件担当 | 10月15日 | 配布日が確定してから公開日の承認を依頼 |
ここまで分けると、必要なのは「承認を早めてもらうこと」ではなく、判断できる状態をつくることだと分かります。
自社では、承認待ち3件だけで試す
1. 進捗表から「承認待ち」の案件を3件選びます。 2. 最後に連絡した日、返答、添付した資料をメモにします。 3. プロンプトで不足材料と次の行動を分けます。 4. 案件担当者が元のメールや資料と照合します。 5. 不足材料を用意してから、必要な相手にだけ連絡します。
この方法が向く場合・向かない場合
複数の案件が同時に進み、進捗メモやメールに判断材料が分かれている場合に向きます。一方、法令、契約、安全に関わる承認を省略したり、AIの回答で権限者の承認を置き換えたりする用途には向きません。
本文の進捗メモ、プロンプト、回答例、完成表はプラスタが作成した架空の編集例です。実案件の遅延分析や、特定のAIで確認した実出力ではありません。