AIサービスを選ぶ前に、使う仕事・入れる情報・支払う人の3つをそろえる
ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotなど、会社で使うAIサービスを比べる前に決めておく3つの条件。使う仕事、入れてよい情報、支払う人を先にそろえ、同じ依頼で試して選ぶ手順を、記録表の例つきで紹介します。

この記事で分かること
- サービスを比べる前に決めておく、3つの条件
- 同じ仕事を同じ入力で試して比べる手順と、見る点
- すでに契約している道具から確かめる順番
「ChatGPT、Gemini、Claude、Copilot……どれを会社で使えばいいのか」。比べ始めたものの、機能の一覧を眺めるだけで決められない、ということはありませんか。
この記事は、サービスを見比べる前に、先にそろえておく3つの条件の話です。用意するのは、メモ用の紙1枚と、普段の仕事で使っている文章1つ。最後に、候補のサービスを同じ条件で試して、選ぶところまで進められます。
使う仕事を1つに絞る
機能の一覧は、見るほど「全部できそう」に見えて、決め手になりません。比べる材料は、普段の仕事の1つにします。
- 取引先へのお詫びメールの下書き
- 会議メモの整理
- 見積書に添える説明文の下書き
毎週のように繰り返していて、文章を書くのに時間がかかっている仕事を選びます。いくつも選ぶと、比べる手間が増えて続きません。
入れる情報を3段階に分ける
AIには、仕事の文章を入力します。サービスを選ぶ前に、何なら入力してよいかを決めておかないと、「使いたい仕事」と「入れてよい情報」が食い違い、選んだあとで使えない、ということが起きます。
次は、社内ルールの下書きとして使える分け方の例です。
| 段階 | 入力してよい情報の例 |
|---|---|
| 入れてよい | すでに公開している情報、一般的な文章、社名を伏せた依頼文 |
| 相談してから入れる | 取引先の名前、金額、従業員の名前 |
| 入れない | パスワード、マイナンバー、顧客の個人情報の一覧 |
「相談してから入れる」を入力してよいかは、サービスによって、また契約の種類によって条件が違います。入力した内容がAIの改善に使われるか、使われない設定にできるかは、申し込む前に、各サービスの利用規約とデータの扱いの案内で確かめます。
契約済みの道具を確かめる
新しいサービスを契約する前に、すでに会社で契約している道具の中で、AIが使えないかを確かめます。GoogleのWorkspaceやMicrosoftの365を使っている会社では、契約の種類によって、その中でAIが使える場合があります。使えるかどうかはプランごとに違うため、管理者の画面か、販売元の案内で確認します。
すでにある道具の中で足りるなら、支払いも、アカウントの管理も増えません。足りない仕事があるときだけ、新しいサービスを候補に加えます。
契約者と管理者を決める
候補が決まったら、誰の名前で契約し、誰が管理するかを決めておきます。個人のカードや個人のアカウントで始めると、その人が辞めたとき、仕事の履歴や契約の管理が会社の手を離れることがあります。会社のメールアドレスで契約し、持ち主と、辞めたときの引き継ぎ先を決めておきます。
同じ依頼で試して比べる
条件がそろったら、候補のサービスに、同じ依頼文を貼って比べます。
- 1つの仕事を選び、取引先名や金額を伏せた依頼文を作ります。
- 同じ依頼文を、候補のサービスそれぞれに貼ります。
- 返ってきた文章を、次の表のとおり記録します。
| サービス | 直した箇所の数 | 渡していない内容を書いていないか | 操作で迷った点 |
|---|---|---|---|
| A | |||
| B | |||
| C |
見るのは、直した箇所の数と、依頼文に書いていない約束や数字が入っていないかの2点です。文章がうまいかどうかより、仕上げるまでの手間と、間違いの少なさで比べます。
1回の結果だけで決めず、別の日にもう一度同じ手順で試します。回答は毎回少しずつ違うためです。2回続けて直す量が少ないサービスを、最有力にします。
選んだあとに伝えること
選んだら、次の3つを、使う人全員に伝えます。
- 何の仕事に使うか: 試した仕事を、最初の使い道にします。
- 入れてよい情報の段階: 先ほどの3段階の表を、そのまま見せます。
- 見直しの日: 3か月後など、日付を決めます。AIのサービスは変化が早いため、見直しの日に、同じ手順でもう一度比べます。
サービスを選ぶことは、その会社の仕事に合わせて使い方を決めることです。 一覧の優劣ではなく、自社の仕事1つと、入れてよい情報の線引きから決めると、あとで迷いません。