値上げを伝える前に、AIへ渡す4つの材料
仕入れ価格の上昇で値上げをお客様に伝えるとき、AIに渡す材料と依頼文、出す前に元のメモと照合する点を、架空の洋菓子店の例で紹介します。

この記事で分かること
- AIに渡す前に決める4つの材料
- そのまま使える依頼文と修正の頼み方
- 出す前に元のメモと照合する点
原材料や仕入れの価格が上がり、お客様に値上げを伝える日が来ます。お知らせを作るのは、店主や事務の方が多く、文章に慣れていないと「失礼にならない言い方」を考えるうちに時間が過ぎます。
この記事は、そうした方が、AIで値上げのお知らせの下書きを作り、自分で元のメモと照合して出すまでの手順です。用意するのは、値上げの内容を書いたメモだけです。読み終えるころには、お客様が読んで「自分に何が変わるのか」が分かるお知らせを、迷わず仕上げられます。
先に決める4つの材料
AIに文章を頼む前に、次の4つをメモにします。ここが決まっていないと、AIは足りない部分を、もっともらしい言葉で埋めようとします。
| 材料 | 書くこと | 例(架空の洋菓子店) |
|---|---|---|
| 何がいくらになるか | 商品名、今の金額、新しい金額、税込か税別か | 焼き菓子詰め合わせ 1,800円から1,950円(税込) |
| いつから変わるか | 日付と、その日付が「注文日」か「お渡し日」か | 11月15日のご注文分から |
| すでに受けた注文の扱い | 変更前の注文はどうなるか | 11月14日までのご予約は、お渡しが後でも旧価格 |
| 質問の窓口 | 連絡先と受付時間 | 店頭または電話(平日10時から17時) |
理由は、書く量を決めて添えます。たとえば「バターや小麦粉などの仕入れ価格が上がったため」の一文で足ります。理由を長く書くほど、お客様が知りたい金額と日付が埋もれます。
AIへの依頼文
上のメモを貼り付けて、次のように頼みます。
次のメモをもとに、お客様向けの値上げのお知らせを書いてください。 読む人は、店に来る近所のお客様です。店頭に貼る版と、メールで送る版を1つずつ作ってください。 【メモ】 ・焼き菓子詰め合わせ:1,800円から1,950円(税込) ・11月15日のご注文分から ・11月14日までのご予約は、お渡しが後でも旧価格 ・理由:バターや小麦粉などの仕入れ価格の上昇 ・問い合わせ:店頭、または電話(平日10時から17時) 【守ること】 ・メモにない金額、日付、商品名、理由を足さない ・分からない点は、勝手に補わず「〈未定〉」と書く ・金額と日付は、文章の前半に置く ・お詫びは1回だけにする。大げさな言葉は使わない ・店頭版は200字以内、メール版は300字以内
「守ること」の2行目が大切です。メモに書いていない点を〈未定〉で残させると、AIが勝手に埋めた箇所を探す手間が減ります。
文例:下書きの完成イメージ
次は、この依頼から作りたい店頭版の文例です。編集のための例であり、AIの実際の回答ではありません。
【価格改定のお知らせ】 11月15日のご注文分から、焼き菓子詰め合わせを1,800円から1,950円(税込)に改定いたします。 11月14日までにご予約いただいた分は、お渡しが15日以降でも旧価格のままです。 バターや小麦粉などの仕入れ価格が上がったためで、ご負担をおかけしますことをお詫び申し上げます。 ご不明な点は、店頭またはお電話(平日10時から17時)でお尋ねください。
読むお客様が最初に知りたい「いくらが、いつから、どう変わるか」が1行目と2行目に入っています。
出す前に、元のメモと照合する
AIが作った文章は、書いた本人が元のメモと並べて確かめます。金額と日付は、見た目が自然でも違うことがあるため、1つずつ指でたどって照合します。
| 照合すること | 見る場所 | 直すときの頼み方 |
|---|---|---|
| 金額が元のメモと同じか | 新旧の金額、税込・税別 | 「金額は1,950円(税込)。ほかの数字は変えない」 |
| 日付の意味が同じか | 「注文分から」が「お渡し日から」に変わっていないか | 「11月15日は『ご注文分』と書く」 |
| 渡していない内容が入っていないか | 割引、期間限定、新商品の紹介 | 「メモにない文を削除して、残りはそのまま」 |
| 〈未定〉が残っていないか | 本文の全体 | 空欄を自分で決めて、その部分だけ書き直させる |
出す前に、店主や責任者が、金額・日付・すでに受けた注文の扱いを見ます。お知らせは、書いた人と出す人が別なら、この3点だけでも出す人が確認します。
合わなければ、1つだけ直す
最初の下書きが、そのまま使えるとは限りません。直すときは、すべてを一度に頼まず、気になった1点だけを指定して、もう一度出してもらいます。
- 予約済みの扱いが後ろに回っていたら、「予約済みのお客様の扱いを、2文目に移して」
- 理由が長くなっていたら、「理由は1文にして、お詫びは1回にして」
- 言い回しがかたいときは、「同じ内容で、近所のお客様に話しかけるくらいの言い方にして」
何を変えたか分かるように、直しは1回に1つにします。一度に3つ直すと、金額の記載まで変わっていたときに、どの指示の影響か分かりません。
最後に、直った版を同じ表でもう一度照合します。照合が済んだ版を保存しておくと、次に価格を変えるときの型になります。