AI活用・業務改善

AIの利用ルールは、迷った場面3つから作る

公開:2026年10月27日 / 編集:合同会社プラスタ

AIを使うときの社内ルールを、長い規程にせず、1ページから始める方法。従業員が迷った場面を3つ集め、「入れてよい・入れない・責任者に確認する」に分けて、決める4項目を書き出します。

分かれ道に立つ道しるべと、色の違う3枚の矢印板のイメージ
迷ったときに進む道を選ぶ場面を表したAI生成イメージです。実在の場所や書類ではありません。

この記事で分かること

  • 従業員が迷った場面の集め方と、3つの分け方
  • 最初に決める4項目と、1ページに書く例
  • 1か月使って、ルールを直す方法

従業員がAIを使い始めたものの、何を入れてよくて、何がだめなのか、会社として決まっていない。そんなときに、いきなり長い規程を作ろうとすると、読まれないまま終わりがちです。この記事は、従業員が実際に迷った場面から、1ページのルールを作る手順です。

用意するのは、従業員が「これはAIに入れていいのかな」と迷った場面を、3つ。最後に、使ってよいサービス、入れない情報、外へ出す前の確認、困ったときの連絡先が書かれた1ページができます。

迷った場面を、3つ集める

まず、経営者自身や従業員に聞きます。「AIを使っていて、これは入れてよいのか迷ったことはありますか」。思い浮かばないときは、「お客様のメールの返信を考えるとき」「見積書の文章を整えるとき」のように、仕事の場面を挙げて尋ねると出てきます。

集めるのは、多くの人が迷う場面を3つ。最初から10も20も集めると、ルールが長くなって誰も読まなくなります。

場面ごとに「入れてよい・入れない・責任者に確認する」に分ける

次の例は、架空の従業員8人の設備工事会社の場面です。実在の会社の規則ではありません。

迷った場面判断理由
お客様への返信メールの文章を整えたいお名前・住所・電話番号を外せば入れてよい個人を特定できる情報がAIに渡らない
見積書の内容をAIで見直したい責任者に確認する取引先の金額や条件が入るため、入れてよいかは責任者が決める
現場で撮った写真の説明文を書かせたいお客様の家が分かる写真は入れない住所や表札が写っていることがある

判断の列は、3つのどれかに分けます。

  • 入れてよい: 公開している案内文、お客様の名前や連絡先を外した文章など。
  • 入れない: お客様の氏名・住所・電話番号、契約書、パスワードなど。
  • 責任者に確認する: 迷うものは、勝手に決めず、AIに入れる前に責任者へ聞く。

最初に決める4項目を、1ページに書く

場面が整理できたら、次の4項目を1ページにまとめます。長い文章にせず、箇条書きで十分です。

  • 使ってよいサービス: 会社が契約したもの。個人のアカウントに、仕事の情報を入れない。
  • 入れない情報: お客様の氏名・住所・電話番号・メールアドレス、契約書、見積書の原本、パスワード、従業員の個人情報。
  • 外へ出す前の確認: AIが作った文章は、メールやお客様向けの資料に使う前に、書いた本人が元の資料と見比べる。金額・日付・条件はとくに確かめる。
  • 困ったときの連絡先: 入れてはいけない情報を入れてしまったとき、誤って送ってしまったときは、すぐ責任者に知らせる。責任者の名前と連絡先を書いておく。

連絡先の項目には、何を、いつ、どのサービスに入れたかを、メモに残すことも書き添えます。あとから対応を考えるときの手がかりになります。

配る前に確かめる3つのこと

1ページができたら、従業員に配る前に次の3つを確かめます。

  • 3つの場面すべてに、「入れてよい・入れない・責任者に確認する」のどれかが書いてあるか。
  • 「責任者に確認する」の相手(責任者)が、名前と連絡先まで書いてあるか。
  • 経営者自身も、このルールに従うか。経営者だけが例外では、従業員が従いにくくなります。

1か月使ってから直す

ルールは、作った時点では完成しません。1か月ほど使ったら、従業員に聞きます。「ルールを読んでも迷った場面はありましたか」。出てきた場面を、「入れてよい・入れない・責任者に確認する」のどれかに分けて、1ページに足します。

足すときは、同じ内容を別の言い方で重ねて書かないようにします。たとえば「お客様の情報は入れない」と「お名前は入れない」が並ぶと、どちらが優先か迷います。似た項目は1つにまとめます。

AIの使い方は、サービスの機能が変わるたびに、迷う場面も変わります。ルールの目的は、従業員が迷わず使えて、困ったときにすぐ相談できる状態にすることです。1ページから始めて、迷った場面が出るたびに足していきましょう。

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