ホームページ管理の引き継ぎに残す情報
経営者と管理担当者が、ホームページの契約・通知先・認証情報の保管先を整理する方法を紹介します。担当者が不在のときに、誰が何を確認するかまで管理表へ残します。
この記事で分かること
- 契約名義・支払い・管理者・通知先の確認項目
- 秘密情報を会社で適切に保管する考え方
- 退職者への依存と認証の復旧方法を確認する点
「更新の案内メールは誰に届くのか」「制作会社へ連絡したいが窓口が分からない」。担当者が休んだときに経営者や同僚がこうした確認で止まるなら、会社の管理情報を見直す必要があります。
この記事では、経営者とホームページの管理担当者が、契約書、請求記録、サービスから届く通知を使って、管理表を作る方法を紹介します。
経営者と管理担当者は、主担当が不在でも、代行担当者が契約と連絡先を確認し、必要な権限を持つ人へ対応を依頼できる状態を目指します。
契約と通知の届き先を調べる
管理担当者は、ホームページに使っているドメイン(サイトの住所となる名前)、サーバー(サイトやメールのデータを置く場所)、メール、アクセス解析を一覧にします。それぞれの契約名義、支払担当、管理者、更新通知の受信先を契約書や請求記録と照合します。
経営者は、契約の継続や変更を誰が判断するかを決めます。管理担当者が分からない項目を見つけたら、推測で埋めず、「制作会社へ契約範囲を確認する」など、確認先と次の作業を残します。
管理表に残す情報を分ける
パスワードだけでは、サイトを引き継げない
ログインできても、契約名義や更新通知の受信先が分からなければ、契約更新や権限変更で困ることがあります。ドメイン、サーバー、メール、解析サービスなどを分け、何を誰が管理しているかを整理します。制作を頼んだ会社が管理している場合も、契約上の担当と問い合わせ先を確認してください。
一覧には、秘密そのものではなく管理先を書く
| 管理対象 | 確認する情報 | 特に注意すること |
|---|---|---|
| ドメイン | 契約名義、更新時期、通知先 | 通知が退職者だけに届いていないか |
| サーバー | 契約者、支払、管理窓口 | サイトとメールへの影響を把握する |
| メール | 管理者、利用者、復旧方法 | 個人の端末だけに依存していないか |
| 解析・外部サービス | 所有者、権限、連携 | 外部委託先だけが管理していないか |
管理担当者は、パスワードや復旧コードを、この一覧と一緒に誰でも読める場所へ置かないようにします。経営者と管理担当者は、認証情報を保管する場所と、その情報を利用できる人を決めます。一覧には秘密の値ではなく「認証情報の保管先」「取り出す必要があるときの確認先」を記載します。管理表自体の閲覧者も、業務上必要な人に限ります。
管理表の記入例
次は、社内の管理担当者と制作会社が分担している場合の説明用の例です。
| 項目 | 記入する内容の例 |
|---|---|
| 用途 | 会社ホームページと業務メールのサーバー |
| 契約の確認根拠 | 総務で保管する契約書と請求記録 |
| 継続・変更の判断 | 代表者 |
| 日常の管理 | 総務の主担当。サイトの更新作業は制作会社へ依頼 |
| 更新・請求の通知 | 主担当と代行担当が確認する業務用メール |
| 認証情報 | 閲覧者を限定した会社の保管先。利用が必要な場合は管理責任者へ確認 |
| 主担当が不在の場合 | 総務の代行担当が契約記録を確認し、制作会社の窓口へ連絡 |
| 未確認事項 | メールも同じサーバーを使っているか、主担当が制作会社へ確認 |
この例のように、管理担当者は「分かったこと」と「まだ確認が必要なこと」を分けます。経営者が会社の実情に合わせて役割を決め、担当者の氏名と連絡先を社内の管理表へ記入します。
主担当と代行担当を決める
経営者は、日々の更新をする人、契約を判断する人、緊急時に確認する人を決め、管理責任者が作業に必要な権限を割り当てます。個別の利用者を作れるサービスでは、管理責任者が担当者ごとのアカウントで作業できるかを確認します。
多要素認証は、パスワード以外の確認も組み合わせる仕組みです。設定するだけでなく、端末を紛失した場合や担当者が退職する場合に、正当な管理者が復旧できるかを確認します。復旧用の情報は重要な秘密なので、広く共有するのではなく保管と利用の責任を明確にします。
引き継ぎに使う記録項目
サービス名と用途:[何に使う契約か] 契約・管理の責任者:[会社として判断する役割] 日常の作業担当:[役割] 更新・請求の通知先:[会社が管理できる連絡先か] 認証情報の保管方法:[秘密の値ではなく管理方法] 不在・紛失時の確認先:[役割・窓口] 必要な変更:[権限・通知先など。実施前に影響を確認] 確認日と未確認事項:[根拠となる契約書・管理画面など]
管理担当者は、記録した内容を契約書、会社の請求記録、自分が閲覧権限を持つ管理画面などで確かめます。ログインできる人が、契約変更の権限も持つとは限らない点に注意してください。
担当者が不在の場面で確かめる
管理表を作ったら、代行担当者が「主担当は今日は連絡が取れず、契約更新の通知が来た」という場面で、必要な情報を探してみます。この確認では設定を変更せず、次の点を確かめます。
- 代行担当者が、通知の対象となるサービスと契約書を見つけられるか。
- 代行担当者が、支払を確認する人と、継続を判断する人を特定できるか。
- 操作が必要な場合に、誰へ依頼すればよいか分かるか。
例えば、契約書は見つかっても制作会社の連絡先が分からなければ、主担当が管理表へ窓口を追加します。代行担当者は、追加した連絡先を自分で見つけられるかを再び確認します。「表を埋めた」だけでなく、別の担当者が次の対応へ進めるかまで確かめます。
退職や委託先変更の前に確認する
不要な権限は整理すべきですが、いきなりアカウントを消すと、その人が所有するファイルや連携が利用できなくなる場合があります。所有するデータ、通知、支払、外部連携を確認し、必要な引き継ぎを行ってから変更します。具体的な操作は各サービスの公式案内と契約条件に従います。
サイトの管理者と、メールの管理者が別の場合もあります。「ホームページを移したので旧契約は不要」と即断せず、どの機能が残っているかを確認してください。変更日、担当、戻す方法を記録し、業務に必要なアクセスが継続するかを見ます。
定期確認で見ること
- 会社が更新や請求の通知を受け取れるか。
- 必要な担当者が、必要な権限だけを持っているか。
- 不在や端末紛失時の確認方法が分かるか。
- 退職者・旧委託先の権限や通知先が残っていないか。
- 変更していない項目と未確認事項を区別できるか。
管理担当者は、異動、契約更新、委託先の変更に合わせて管理表を見直します。変更後は代行担当者も、通知先と連絡先を確認します。

管理者が分からない場合の調べ方
経営者や総務担当者は、会社の契約記録と支払記録から提供元や制作会社を調べます。権限のない人がログインを試し続けるのではなく、会社として契約を管理する人が提供元へ問い合わせ、必要な契約者確認の手続きを進めます。
プラスタでは、まず「更新通知がどこへ届き、その人が不在なら誰が確認するか」を経営者と管理担当者で確かめることを勧めます。そこから契約記録、保管先、連絡先を一つずつつなげると、会社として足りない管理情報を具体的に見つけられます。
参考情報・出典
- IPA:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン
経営者と実務担当者が取り組む情報管理の全体像、資産管理台帳・関連規程の案内。