AI活用・業務改善

棚卸しで数が合わなかったとき、メモをAIで整理して、原因は人が決める

公開:2026年10月30日 / 編集:合同会社プラスタ

棚卸しで帳簿と実物の数が合わないとき、走り書きのメモをAIで整理する頼み方を、雑貨店を例に紹介します。数えた事実と原因の候補を分け、原因をAIに決めさせないための文例と、確かめる点をまとめました。

店の棚に並んだ段ボール箱と、数を数えた印のついた紙を挟んだ板が置かれている様子のイメージ
AI生成のイメージイラストです。

この記事で分かること

  • 棚卸しのメモを「数えた事実」と「原因の候補」に分ける頼み方
  • 原因をAIに決めさせないための文例と、仕上がりの見本
  • 帳簿を直す前に、人が確かめる点

在庫を持つ仕事では、決算前や月末の棚卸しで、帳簿の数と棚の実物の数が合わないことがあります。そのとき担当者は、「あの日の入荷が入っていないのでは」「レジで別の商品として打ったかも」と、思いついた理由をメモに書き込みます。

この記事は、そうした走り書きのメモをAIで読みやすく整理しつつ、原因はAIに決めさせないための頼み方です。用意するのは、棚卸しのときのメモ(スマホのメモや紙の写しで構いません)。最後に、あとで原因を調べる人が見る一覧の下書きができます。

なぜ、原因まで書かれるのか

メモには、数えた事実と、思いつきの理由が、同じ調子で並びます。AIに「整理して」と頼むと、思いつきの理由が「原因は〜です」と言い切りの文章になることがあります。きれいな文章になるほど、確かめていない理由が事実のように見えます。

原因が分からないまま帳簿を直すと、本当の原因(たとえば入荷の入力漏れ)が残り、次の月も同じ差が出ます。だから、頼む段階で、事実と原因の候補を別の欄に分けておきます。

元になるメモの例

ここでは、雑貨店の月末の棚卸しメモを例にします(架空の例です。ほかの業種でも、数え方や項目名を置き換えて使えます)。

10/31 閉店後に数えた
・マグカップ白 帳簿24 実物21。月曜に入荷あったはず、未入力かも
・ガラスの小皿 帳簿12 実物12 OK
・布巾セット 帳簿30 実物33。セット売りの分け方が違った?
・ハンドクリーム 帳簿8 実物6。万引きの可能性? 売れたのはレジで確認

数えた事実は、「帳簿の数」と「実物の数」です。「未入力かも」「違った?」「可能性?」は、まだ確かめていない原因の候補です。

事実と候補を分けて頼む文例

次の文章に、メモを貼って送ります。

次の棚卸しメモを、表に整理してください。
列は「商品」「帳簿の数」「実物の数」「差」「原因の候補(メモにある言葉のまま)」「次に確かめること」にしてください。
差は、実物の数から帳簿の数を引いた数にしてください。
原因は決めないでください。メモにない原因を足さないでください。
数が合っている商品は「差なし」と書いてください。
「次に確かめること」は、メモにある内容から、確認できる記録や場所を書いてください。

【メモ】
(ここにメモを貼る)

ポイントは3つです。

  • 原因の欄を「候補」と名づける: 「原因」という欄名だと、AIは1つに決めようとします。「候補」と名づけ、メモにある言葉のまま書かせます。
  • 差の計算のしかたを決める: 「実物−帳簿」と決めておかないと、プラスとマイナスが商品ごとに逆になることがあります。
  • 「次に確かめること」を別の欄にする: 調べる人が、次に何を見ればいいかが、候補のすぐ隣に並びます。

仕上がりの見本

頼んだとおりに整った場合の見本です(編集例です)。

商品帳簿の数実物の数差原因の候補次に確かめること
マグカップ白2421-3月曜の入荷が未入力かも月曜の納品書と、入荷の入力記録
ガラスの小皿12120差なしなし
布巾セット3033+3セット売りの分け方が違った?レジでのセット売りの登録のしかた
ハンドクリーム86-2万引きの可能性?レジの販売記録で、売れた数を確認

帳簿を直す前に確認すること

AIの表は、そのまま使わず、メモと見比べて次の3点を確かめます。

  • 数が、メモのとおりか。 帳簿の数と実物の数が入れ替わっていないか、差の計算が合っているかを、1行ずつ見ます。
  • 「原因の候補」が、メモにある言葉だけか。 メモにない理由(たとえば「返品が未処理」)が足されていたら、消します。
  • 「次に確かめること」が、実際にできることか。 記録がない確認は、表に残さず、別の方法を考えます。

候補は、確かめるまで候補のままです。納品書やレジの記録で確かめて原因が分かった商品だけ、帳簿を直します。 分からない商品は、差のまま残し、次の棚卸しでもう一度数えます。

直しは同じ会話で頼む

差の符号が逆になっていたら、同じ会話の中で、次のように頼みます。

差は「実物の数−帳簿の数」で計算してください。
布巾セットが逆になっています。直してください。ほかの行は変えないでください。

直す行と、動かさない行の両方を示すと、関係のない数字が書き換えられるのを防げます。

次の棚卸しにつなげる

表が整うと、同じ商品が何度も差を出していないかが見えてきます。前回と今回の表を並べて、同じ商品が続けて出ていないかを見ると、数え方か、レジの登録か、入荷の入力か、調べる場所が絞れます。ただし、表が整うことと、原因が分かることは別です。AIには表の整理を任せ、原因を決める判断は、納品書やレジの記録を見られる人が行います。

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