議事録をAIで作るときは、結論に至った経緯を残すのがコツ
会議の発言メモや録音の文字起こしからAIで議事録を作ると、結論だけが短く残り、どんな意見が出て、なぜその結論になったのかが抜けることがあります。経緯を残す依頼文と、議事録の確認方法を紹介します。

この記事で分かること
- AIの議事録で、経緯が抜ける理由
- 結論と、出た意見・理由を残す依頼文
- AIが作った議事録を確認する3つの点
会議の発言メモや録音の文字起こしから、結論に至った経緯が残る議事録をAIで作る方法を紹介します。用意するのは、発言を時系列で書き留めたメモです。AIで、議題ごとに結論、出た意見、理由、見送った案を書き出します。
短くまとめるだけでは、経緯が抜ける
議事録をAIで作るときに「簡潔にまとめてください」と依頼すると、結論だけが並び、どんな意見が出たのか、なぜその結論になったのかが省かれることがあります。会議の直後は分かっていても、半年後に読み返す人には、結論の理由が伝わりません。
たとえば「見積書の保存先は、共有フォルダに統一する」という結論だけが残っていると、後から入った人が「なぜクラウドのサービスではないのか」と質問しても、答えられる人がいなければ、同じ議論をもう一度することになります。
発言メモの例
次のメモは、会議中の発言を時系列で書き留めた例です。
議題:見積書の保存先 田中「先月、私が休みの日に過去の見積書が探せず、お客様への返事が1日遅れた」 佐藤「個人のデスクトップに置いている人が多い。共有フォルダに統一したい」 山本「クラウドのサービスに移す案もあるが、月額費用が増える」 社長「今回は費用が増えない共有フォルダに統一。個人のデスクトップにある分は今月中に移す」 社長「フォルダの名前のルールは、次回決める」
AIで経緯を残す依頼文
発言メモを、次の依頼文に貼り付けます。
次の会議の発言メモから、議題ごとに議事録を作成してください。 議事録の項目 - 結論 - 出た意見(発言者ごと) - 結論に至った理由 - 見送った案と、見送った理由 - 次回に持ち越す事項 条件 - 発言メモに書かれている内容だけを使ってください。 - 理由がメモに書かれていない項目は、「理由の記載なし」と書いてください。理由を推測して補わないでください。 発言メモ: (ここにメモを貼る)
「理由を推測して補わない」という条件を入れる点が大切です。AIは、理由が書かれていない結論に対しても、もっともらしい理由を書いてしまうことがあるためです。
仕上がりの見本
上のメモと依頼文から期待する議事録の見本です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 結論 | 見積書の保存先を、共有フォルダに統一する。個人のデスクトップにある分は、今月中に移す |
| 出た意見 | 田中:先月、過去の見積書が探せず、お客様への返事が1日遅れた。佐藤:個人のデスクトップに置いている人が多いため、統一したい。山本:クラウドのサービスに移す案もあるが、月額費用が増える |
| 結論に至った理由 | 費用が増えない共有フォルダで統一するため(社長の発言)。過去の見積書を探せなかった問題への対応 |
| 見送った案と理由 | クラウドのサービスに移す案。月額費用が増えるため、今回は見送り |
| 次回に持ち越す事項 | フォルダの名前のルール |
結論だけでなく、意見と理由が並んでいるため、半年後に読む人も、経緯を追えます。
AIが作った議事録を確認する3つの点
1. 意見と理由が、発言メモと一致しているか。 見本の「出た意見」は、メモの発言をそのまま言い換えたものです。メモにない言葉(「業務の効率化のため」など)が入っていたら、削除します。
2. 「理由の記載なし」の項目を、そのままにしていないか。 理由がメモに書かれていない結論は、会議に出ていた人に確認して、書き足します。確認しても分からない場合は、「理由は不明」と残します。理由を後から作ると、次に読む人が間違った前提で判断します。
3. 発言者が、正しく書かれているか。 誰が言ったかを取り違えると、後から責任や経緯の理解がずれます。会議に出た人が、自分の発言の部分を確認します。
修正を依頼するときは、「山本さんの意見を、発言どおりに書き直してください」のように、1つの点だけを指定します。
議事録は、会議の当日に確認する
発言の細かな内容は、時間がたつほど思い出せなくなります。会議が終わった当日のうちに、AIで議事録を作り、会議に出た人が1度読んで、意見や理由が違っていないかを確認します。
議事録をAIで作るときは、結論だけでなく、出た意見と理由を残すように指定し、メモにない理由が足されていないかを確認しておくと、半年後に同じ議論をやり直さずに済みます。