届いた問い合わせをAIに仕分けさせるときは、迷うものをいったん置く「保留」の分類を先に決める
問い合わせをAIに仕分けさせると、判断できないものまで、無理に当てはめられることがあります。仕分けの分類と「保留」の分類を先に決める頼み方、返ってくる仕分け表の見本、保留の読み方と分類の直し方を紹介します。

この記事で分かること
- AIが問い合わせを無理に仕分けてしまう理由と、「保留」の分類の役割
- 分類を決めて仕分けと理由を出してもらう頼み方の文例と、返ってくる表の見本
- 保留の読み方と、分類の直し方
メールや問い合わせフォームから届く問い合わせを、「見積もりの依頼」「不具合の連絡」のように分けて、対応の順番を決める作業があります。件数が増えると、この仕分けをAIに頼みたくなります。ただし、頼み方によっては、判断できないものまで、どれかの分類へ無理に当てはめて返ってきます。
この記事は、問い合わせの仕分けをAIに頼むときに、迷うものを入れる「保留」の分類を先に用意しておく方法です。用意するのは、最近届いた問い合わせ数件と、仕分けの分類の名前。最後に、分類と理由が付いた仕分け表と、保留を読んで分類を直す手順が手に入ります。
保留がないと、AIは無理に仕分ける
「次の問い合わせを、見積もり・不具合・その他に分けてください」と頼むと、AIは、どの問い合わせも、3つのどれかに入れて返します。たとえば、「先日の納品について、ちょっと確認したいことがあります」というだけの連絡は、見積もりの話なのか、不具合の話なのか、読んだ人にも分かりません。それでも、AIは「その他」か、もっともらしい分類に入れます。
仕分け表を見て「全部、分類に入っている」と安心すると、本当は急ぎの不具合の連絡が、「その他」に埋もれることがあります。「決めきれないものは、保留に入れて、その理由を書く」と先に頼んでおくと、人が読むべきものが残ります。
問い合わせの例と、仕分けの分類
最近届いた問い合わせが、次の5件だったとします。名前や連絡先は、あらかじめ除いておきます。
1. 来月の初めに、同じ内容の商品を30個ほど注文したいのですが、見積もりをお願いできますか。 2. 先日の納品について、ちょっと確認したいことがあります。 3. 届いた商品の箱が開いていて、中の部品が1つ足りません。至急、送っていただけますか。 4. 貴社のサービスを、弊社の新規開拓にご活用いただけないでしょうか。資料を送ります。 5. 営業時間は、土曜日もやっていますか。
仕分けの分類は、次の4つと、迷うものを入れる保留の分類を決めます。
- 見積もり・注文の相談
- 不具合・クレーム
- 質問(営業時間・手続きなど)
- 営業・売り込み
- 保留(上の4つのどれか、決めきれないもの)
仕分けを頼む文例
問い合わせを貼って、次のように頼みます。
次の問い合わせ5件を、分類に仕分けてください。 分類は、「見積もり・注文の相談」「不具合・クレーム」「質問」「営業・売り込み」「保留」の5つです。 「保留」は、どの分類にするかが問い合わせの文だけでは決めきれないものを入れてください。無理に当てはめないでください。 表で出してください。列は、番号、分類、そう判断した理由(問い合わせの中の言葉を引用して)、保留の場合は何が分かれば決められるか、の4つです。 問い合わせに書いていないことを、想像で補わないでください。 【問い合わせ】 (ここに5件を貼る)
ポイントは3つです。
- 保留の定義を、頼み文に書く: 「決めきれないもの」と書いておくと、迷ったものが保留に集まります。
- 理由に、問い合わせの言葉を引用させる: AIがどこを見て判断したかを、人が確かめられます。
- 保留には「何が分かれば決められるか」を書かせる: 保留の読み方が、そのまま次の行動になります。
返ってくる仕分け表の見本
頼んだとおりに整った場合の見本です。
| 番号 | 分類 | 理由 | 何が分かれば決められるか |
|---|---|---|---|
| 1 | 見積もり・注文の相談 | 「30個ほど注文したい」「見積もりをお願い」とある | |
| 2 | 保留 | 「確認したいこと」の中身が書かれていない | 確認したいことが、見積もりか、不具合か、請求か |
| 3 | 不具合・クレーム | 「分類が開いていて」「部品が1つ足りません」「至急」とある | |
| 4 | 営業・売り込み | 「弊社の新規開拓にご活用いただけないか」「資料を送ります」とある | |
| 5 | 質問 | 営業時間について聞いている |
2番が保留に入り、「何が分かれば決められるか」が書かれています。無理に「その他」へ入れなかったので、人が読み直す対象として残ります。
保留の読み方と、分類の直し方
保留に入ったものは、人が内容を読んで、分類を決めます。 2番は、先日の納品に関する連絡なので、納品を担当した人に、何を確認したいのかを聞き返す、という次の行動が決まります。
保留が多すぎるときや、保留の理由が毎回同じときは、分類のほうを見直します。 たとえば、次のように直せます。
- 保留の理由が「納品や請求について、何かを確認したいだけの連絡」に集まるなら、「納品・請求の確認」という分類を足す
- 逆に、保留がほとんど出ず、仕分けが外れていたら、頼み文の「決めきれないものは保留」を、「少しでも迷ったら保留」に変えて、もう一度頼む
直したら、同じ5件でもう一度仕分けを頼み、保留の中身が変わったかを見ます。いきなり大量の問い合わせを任せず、少ない件数で、分類と頼み方を整えていくと、安定していきます。
AIが決められるのは、問い合わせの文の中にある情報までです。急ぎかどうか、相手が大事な取引先かどうかは、問い合わせの文にはないので、人が判断する部分として残します。仕分けは、人が読む順番を決める助けと考えます。