AIで複数の見積書を比較するときのポイント
見積書は会社ごとに項目の分け方が違うため、合計金額だけでは比べられません。AIで同じ項目の表にそろえる頼み方と、「記載なし」の見つけ方、金額を比べる前に自分で確かめる点を紹介します。

この記事で分かること
- 合計金額だけでは、見積書を比べられない理由
- 同じ項目の表にそろえる依頼文と、「記載なし」の扱い
- 表を見て、比べる前に確かめる点
3社から見積書が届いたのに、合計金額を見比べても、どこを選べばよいのか決められない。そうした場面は、見積書の項目の分け方が会社ごとに違うために起こります。A社は設定作業を本体価格に含め、B社は別の項目にし、C社は書いていない、ということがあります。
この記事は、複数の見積書を、AIで同じ項目の表にそろえてから金額を比べる方法です。用意するのは、各社の見積書の文面(数字と項目名)だけです。最後に、何が含まれ、何が含まれていないかが並んだ表が手に入ります。
合計金額だけでは、比べられない
合計が安く見える見積書は、含まれていないものがあるかもしれません。反対に高く見える見積書は、設定や保守まで含めた金額かもしれません。
そこで、金額より先に、何が含まれているかを同じ並びにそろえます。この作業は、項目名を読み取って表に写す作業なので、AIが得意とするところです。金額の良し悪しを決める判断は、自分で行います。
見積書の内容の例
事務所のパソコンを入れ替える場面で、3社の見積書が届いたとします。文面は、次のような内容です。
【A社】パソコン本体 5台 合計 40万円。設置・初期設定は別途ご相談。保証は1年。 【B社】パソコン本体 5台 33万円。初期設定・データ移行 7万円。保証は3年。 【C社】パソコン本体 5台 一式 38万円(設定込み)。保証は1年。保守契約は月5,000円で別途。
依頼文
見積書の文面を貼って、次のように頼みます。
次の3社の見積書を、同じ項目の表にそろえてください。 - 項目は、「本体」「初期設定」「データ移行」「保証期間」「保守」「合計金額」の6つにしてください。 - 見積書に書いていない項目は、推測せず「記載なし」と書いてください。 - 金額は、見積書に書いてあるとおりに写してください。足し算や計算はしないでください。 - 「別途」「一式」のように範囲が分かりにくい言葉は、そのまま写して、備考に書いてください。 【見積書】 (ここに貼る)
ポイントは3つです。
- 項目を先に決めて渡す: 会社ごとの分け方の違いを、こちらの項目にそろえられます。
- 「記載なし」と書いてもらう: 書いていない項目をAIが推測で埋めるのを防げます。
- 計算はしてもらわない: 合計の確認は、自分で電卓を使うほうが確実です。
そろえた表の見本
頼んだとおりに整った場合の見本です。
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 本体 | 5台(合計40万円) | 5台(33万円) | 5台(一式38万円) |
| 初期設定 | 別途ご相談 | 7万円(データ移行と合算) | 込み(一式に含む) |
| データ移行 | 記載なし | 7万円(初期設定と合算) | 記載なし |
| 保証期間 | 1年 | 3年 | 1年 |
| 保守 | 記載なし | 記載なし | 月5,000円(別途) |
| 合計金額 | 40万円 | 40万円 | 38万円 |
表にすると、合計が38万円のC社が安く見えても、データ移行と保守が含まれていないことが分かります。B社は、合計40万円でも、保証が3年、設定と移行が含まれています。
比べる前に確かめる4つの点
表を見て、金額を比べる前に、次の4つを自分で確かめます。
- 元の見積書との一致: 表の金額や期間が、見積書の数字と合っているか
- 「記載なし」の意味: 含まれていないのか、書き忘れなのか。必要なら、各社に問い合わせる
- あいまいな言葉: 「別途ご相談」「一式」の範囲を、各社に確かめる
- 自社に必要な項目: 表の項目に、必要なのに入っていないもの(たとえば、設置作業)がないか
問い合わせが必要な箇所を、まとめる
「記載なし」と「別途ご相談」が並んだら、同じ会話で、各社への確認事項の一覧を頼めます。
この表の「記載なし」と「別途」の項目について、各社に確認する質問を、会社ごとに箇条書きにしてください。 質問は、「含まれていますか」と「含まれない場合の金額はいくらですか」の形にしてください。
返ってきた質問は、見積書を送ってきた会社に、メールや電話で聞きます。回答が来たら、表の「記載なし」を書き換えて、もう一度合計を比べます。
次にすること
回答がそろって、表の空欄が埋まったら、自分で合計金額を再計算して、元の見積書の数字と照らします。そのうえで、金額、保証、保守の中で、自社が何を優先するかを決めます。表は、その判断の材料を並べるためのものです。